パーソナルデータ活用とプライバシ保護の両立

ビッグデータ時代においてデータは"New Oil"であると言われ、デジタル経済における価値が認識されています。移動経路や心拍データなど個人の活動履歴などの時空間データを収集、集計したデータは高い有用性を持ちますが、その活用のためにはプライバシ保護技術を確立することが必要となります。個人データのプライバシを保護しながら個人活動データの集約情報を開示する方法を研究しています。


パーソナルデータ市場における価格設定機構

   パーソナルデータ市場において各個人が市場機構とプライバシ漏洩の程度と対価に関する契約を結び,データ購買者は要求するデータに関する問合せと予算を提示する場合に,各個人のプライバシ保護要求を満たしながら,購買者に対しては低価格でしかも雑音印加の程度を低く抑えるための手法を開発しています.

  

発表論文

差分プライバシに基づく時空間データの開示

  近年モバイル、ウェアラブルデバイスの小型化、軽量化、高性能化に伴い、個々人の活動履歴などの時空間データを収集することが容易になっています。 この移動経路の集計データを開示することは非常に有意義で学術・商用の両面から価値があると期待されています。 しかし、これらの個人データの分析を行うと、プライバシの侵害につながる危険性があります。 Ɛ−差分プライバシは厳格な数学的な証明に基づく高い安全性が保証されている点で注目されているプライバシモデルですが、 ストリームデータの実時間処理などへの応用が難しいと考えられています。 また、個々人が要求されるプライバシレベルは異なる可能性があるので、ユーザレベルのプライバシ定義が必要です。

  我々はƐ-差分プライバシに基づき,移動軌跡データなど時空間データを開示する手法の研究を行っています. 具体的には,ユーザレベルの「ℓ-軌跡プライバシモデル」による実時間で移動経路データ開示できるアルゴリズム, 軌跡データなどデータに時間的な関連性がある場合の差分プライバシによるデータ保護程度の定量化,経路端点の曖昧化などの研究に取り組んでいます。

発表論文

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