歩行時ストレス予測

本課題では,歩行弱者の歩行を促進することを目的にし,ストレスを感じにくい経路を推薦することを目指す.この経路推薦を実現するための初期段階として,ストレスに影響を与える歩行環境要素を特定し,かつこれらの要素がストレスに影響を与える程度を検証する.

また,ストレスを考慮した経路推薦を実現するためには,歩行者が歩行を開始する前に特定の経路を歩いた場合のストレスをあらかじめ把握できなければならない.そこで,ストレスに影響を与える歩行環境要素をパラメータとして用いたニューラルネットワークの学習により,歩行者のストレス予測を実現する.

歩行時ストレス推定モデル

歩行人数や混雑度といった歩行者のストレスに影響を与える歩行環境要素を考慮した経路推薦を実現するためにニューラルネットワークを用いたストレス予測を行う.ストレスを予測するためのモデルを図1に示す.実心拍数より求めたストレス指標をニューラルネットワークによって学習することにより,予測ストレス指標を求めることを実現する.このニューラルネットワークのモデルはSumidaらの手法[1]を改良したものである.

Sumidaらのニューラルネットワークの入力パラメータである勾配・加速度・酸素摂取量に加え,新たに混雑度パラメータを追加し,予測ストレスを出力するモデルを構築した.なお酸素摂取量は,勾配および歩行者の速度を用いて計算するものとする[1].また,混雑度の値を設定するためにLRF(レーザーレンジファインダー)を使用する.LRFは赤外線光を放つことで周辺の障害物を検知することが可能なセンサである.被験者にLRFを取り付けることで,周辺にどれくらいの人が存在するのかを定量的に混雑度として定義する.

ニューラルネットワークにおいて,出力データは72秒間分の値を一つ出力する.ストレスを把握するには1分以上の時間を設けることが推奨されるからである.入力パラメータについては,72秒よりも短い時間間隔のデータを用いる.時間が長すぎると,勾配や加速度の情報が失われてしまう可能性があるからである.本稿では入力パラメータの時間間隔を24秒とし,12秒ずつずらした5個のデータを入力パラメータとして入力する.これにより,入力パラメータと出力データの時間間隔を揃える.

図1. ストレス予測モデル

発表論文

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